給食トピックス

二年連続準優勝 給食甲子園強豪の宇陀市の給食の秘密を探る

奈良県宇陀市立学校給食センター。これまで全国学校給食甲子園決勝大会に進出したのは4回という強豪で、準優勝2回という実績をお持ちです。その安定した強さの秘密をさぐるべく、全国学校給食週間中に訪問してきました。


 

給食調理場は1975年(昭和50年)4月開設。鉄骨造平屋建。現在約2,200食を調理しています。かつては約5000食を調理していた時期もあり調理能力としては余力があるようです。宇陀市は2006年(平成18年)1月に宇陀郡菟田野町・大宇陀町・榛原町・室生村が合併して発足、当時はそれぞれ町村に調理場がありましたが現在の給食センター1か所に集約されました。

宇陀市の全国学校給食週間のテーマは全国うまいもんめぐり、訪問した日は「秋田県」の食材です。給食をいただいたのは、休憩室、調理員さんの出入りがあるなかお邪魔しました。

定数としてはぎりぎりですが、学校栄養職員さんは2人配置。全国学校給食甲子園でお馴染みの先生と採用2年目の若い先生のタッグです。若い先生は「1人配置の調理場に配属されたらどうしようと思ってたんです」と仰っていましたが、現在よい修行の場になっているようです。

いただく給食の配膳も「写真撮りますよね」と、盛りつけも2人して調整し、さらには「敷くもの持ってきますね。何色がいいですか?」と急いで数種類の色の画用紙を持ってきてくださいました。見せ方、魅せ方にも最善をつくす、というところにこだわりが見られます。

子どもたちの給食における実際は、子供たちが配膳するのですから、あまり関係ないはずですが、給食甲子園で上位入賞することで子供たちも喜び、記憶に残るようになります。その効果を狙っているのです。

また、調理員さんたちのチームワークの良さも感じました。ひとりひとりが自分のやるべき仕事を自身が考えながら動いていました。個と組織どちらも強みを持っていると感じました。書類審査で決勝大会に選ばれてから全国学校給食甲子園の決勝のその日まで、工程表を動線図を見直し、シミュレーションするのですが、他の調理員もつきあいます。ストップウォッチで時間をチェックし各工程のの動きを効率しています。そういうところにもチームとしての組織力が表れています。


献立は、ご飯、牛乳、ハタハタのから揚げ、小松菜ともやしのあえもの、だまっこ汁。だまっこ汁にはきのこが使われているのですが、煮るほどにきのこからだしが出るのでその加熱時間も長めに取るなどの工夫が行われていました。


献立の確認をすると、秋田の県魚ハタハタが紹介されました。奈良県ではなかなか見かけない魚かもしれませんが、名前も面白いので興味深く見つめていました。「ハタハタ」は雷のゴロゴロに当たるオノマトペです。


榛原小学校の給食時間に訪問しました。「給食時間における食に関する指導」を見せていただけるようにしてくださったのです。

今回は3年生のクラスにお邪魔しましたしました。このクラスでは給食時間の席次は授業と同じで全員黒板を向いて食べる方式。給食当番が配食し席までサーブする方式ですが、子供達がやんちゃでいまひとつ捗りません。

指導の時間を確保するため担任、支援員の先生だけでなく学校栄養職員の先生2人も加わり配食完了しました。


 

ドレスのハタハタを揚げたものですが、みんなきれいに食べていました。なかにはきれいに骨を残す子もいて、なんて繊細で器用なんだろうと妙に感心しました。骨格標本が作れそうなレベルです。


 

続いてだまっこ汁。だまこは炊きたてのコメを半殺しにしてだんごにしたもので、給食向けの商品が出ています。釜で煮ても崩れませんが、口に入れるとうまい具合にほぐれます。 秋田県の米の生産量が国内第3位であることと代表的な品種あきたこまちの紹介がありました。


子どもたちは食べながら聞いていますが、リアクションもよくて、とても賑やかです。先生の声も大きくなりますが、それでも子どもたちの発言を聞き流さずひとつひとつ受けているのが印象的でした。


どちらかといえばやんちゃな子が多いクラスでしたが、食べ残しが多いかというとそうでもありません。
「キミはあれだけ騒いでいたけれども、いつの間に食べてたんだい?」と不思議でした。給食がおいしいからからでしょうか。活動量が多くておなかがすいているのかもしれません。牛乳本を巡っておかわりジャンケンが盛大に行われていました。

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