給食トピックス

学校における食育ステップアップ講習会 in 三重

8月25日に三重県津市芸濃総合文化センターで開催された「学校における食育ステップアップ講習会」に参加させていただきました。

学校において、家庭や地域との連携を図りながら、子どもたちが食に関する正しい知識と、望ましい食生活を身に付けるための指導体制の充実が求められています。
そこで、全職員が主体的に関わり、学校教育活動全体を通じて、より効果的に食育を推進するためという目的のもと、開催されました。

 

たくさんの学校教育関係者が参加しており、皆様の食育に対する積極性が感じられました。

 

 


講演
「持続可能な食育の提案-学校全体で動く食育-」
愛知みずほ大学短期大学部 客員教授 上原正子先生

 


上原先生は愛知県学校栄養職員として給食センターや小学校に勤めた経験があります。
他にも、愛知県学校給食会主任栄養専門員、愛知みずほ短期大学の准教授、名古屋学芸大学健康栄養研究所の客員研究員、「学校給食における衛生管理の改善に関する調査研究協力者会議」衛生管理保健指導者、各市の食育推進会議の委員長懇談会の座長、名古屋市の免許更新講座の講師等、他にも様々な現場や文部科学省関係のお仕事などで、幅広くご活躍されています。


 

「食育」とは、食を通して人間として生きる力を育むこと
社会にでて活躍するための基本的な人間力

講義の冒頭で、食が生きる為の資源・土台になっているというお話をし、いかに食育が大切なものかをご説明頂きました。

 


今回の講義は以下の3つのテーマについて発表されました。
まず1つ目は、「食育の推進と子どもの食の課題」

 ある小学校5年生担任へ「給食の時間の子どもたちの様子について、感じていることを具体的にお書きください」という調査をしたところ、

①食のマナーが悪い
②好き嫌いが多い
③平気で残す

と結果がでました。「食」に対する意識が色んな面で低いと感じている先生が多かったのです。

 

さらに上記の図にも記載されている「共食頻度の減少」は心の発達に関係性があるということも調査・研究でわかっているそうです。
これらの現状と課題に対して、栄養教諭を始めとする学校関係者、そして我々大人たちはどのような働きかけが必要なのか常に考える必要があります。

 

 


2つ目は、「学校食育に必要なもの」

学校の食育に一番必要なものは学校給食です。
その学校給食の役割には大きく分けて2つあります。
Ⅰ.食歴
自分が食べる歴史をつくる。
食べる(味・量・匂い・食感・見た目・食材を知る等)ことで何かを、自分の食事をわかっていく。

Ⅱ.食習慣
学校給食の時間は毎日あり、その時間は食習慣をつくっていく時間である。
その時間(配膳・片づけも含む)でコミュニケーション能力・マナー・協調性が身に付く。


H29年3月文部科学省が示した「栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育」に学校の食育における栄養教諭と学校の役割がPDCAサイクルに基づいて、一連の業務を明確に記載しています。

 

子どもが変わっていくために食育があり、その食育評価があって初めて次の年の計画が生まれます。
計画をたてるためには評価が一番大事なのです。
そしてその食育の評価は「学校評価」とイコールになるといわれています。
なぜかというと家庭や地域にわかりやすく、理解がされやすいからです。
なので学校教育に食育を取り入れているところが多いのですね。


しかし上原先生はここまででは食育は進まないとおっしゃっていました。

 

 


 

では、どうすればよいのか。

そこで3つ目のテーマ「これからの食育

 

H29年3月31日に新学習指導要領」が文部科学省から公示されました。太字の部分が大きく変わっています。
今まで食育の指導は、体育科、家庭科及び特別活動の時間に行うよう努めることと示されていましたが、改訂後はすべての教科が関わっています。

 

 

 

 

主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善として「体験活動を重視すること」と新たに提示されています。
食育には体験活動は外せません。給食もその一つですね!

 

「横断的な視点で組み立てる」
上原先生はこの横断的な視点を、教科・学年・地域に「つながる」ことなのではないかと話しておられました。

 

 

 

では、これらを意識してどのように食育を進めていくのか。
その方法がわかりやすく記載されているのが文部科学省が作成した教材「たのしい食事 つながる食育」です。こちらは誰でもダウンロードすることができるので、ぜひご活用ください。

食育を通じて子供たちは何ができるようになったのか、何が身についたのかを捉えながら進めていきましょう。

最後に、食が私たちの身体を作っていること、それに感謝をすることを子どもたちに教えるが大事であるとおっしゃっていました。


 

 

 

 

 

実践発表
「みえの地物で みんなで食育!」
四日市市立山手中学校 教諭 長谷川千恵子先生

 


 

四日市市では全教職員に第三次四日市市学校教育ビジョンという冊子が配られます。
6つの基本目標があり、食育については基本目標3の③に記載されています。

四日市市では、食育担当者の研修会があり、
今年のテーマは「全教職員、保護者へ意識向上を図るための手立て」となっております。
各学校の年間計画を持参し、いつどのような食育授業を行うかを話すそうです。

 


 

山手中学校での取り組みをいくつかご紹介します。
中学校と小学校のティーム・ティーチング授業では、テーマ「和食の良さに気づこう!」として、特産物“万古焼”の土鍋でご飯を炊くという調理実習が行われました。

他にも、問題解決能力向上をねらう授業展開として弁当づくりに挑戦するという授業が行われました。
子どもたちに人気のメニューばかりのバランスの悪い弁当とバランスのよい弁当の2種類を並べ、「食べたいと思う弁当はどっち?」「良いと思う弁当はどっち?」なぜそう思うのか考えてみようというところから授業が始まります。

 

 

夏休みには、家庭実践を狙います。
食材10本切って包丁名人になろうというものと、市内で開催されているコンクールにレシピを応募するという宿題を出します。

様々な活動をしているが、まだ全職員を巻き込めていないことと
地域の方と連携して体験活動等行っているが、発信・貢献にはまだいけていない課題があるとおっしゃっていました。


 

 

 

 

最後に
「食育推進について」
三重県教育委員会事務局保健体育課 別所真理子様


三重県では、平成28年7月に「第3次三重県食育推進計画」を作成しております。
学校に関する目標指標は主に2つあります。
①朝食を食べている子どもたちの割合(目標値:小学生90.5%、中学生88.0%)
朝食を食べている子どもたちの割合が全国に比べて増えていることもあり、
「みえの地物が一番!朝食メニューコンクール」というものを開催しております。
子どもたちに体験する機会を与えることで、初めて感じ、考えることができます。

②学校給食における地場産物使用割合(目標値:38.0%)
学校給食に地場産物の使用割合を増やすことで、食材・食文化や生産者への理解等学習のチャンスを与えるという狙いがあります。

そして、学校全体で食育推進を図るためには、未だ6割程度しか設置されていない校内推進委員会等を増やすこと、全体計画の作成が必要であるとお話しいただきました。


 

 

この講習会を終えて皆さんはどのように行動するのでしょうか。

 

最後になりましたが、今回取材を快く引き受けていただきました三重県教育委員会、三重県学校給食会理事長の水谷様を始めとするすべての方に感謝いたします。
日本の学校給食をよりよくするために、努めて参りますので引き続き”給食ひろば”をよろしくお願い致します。

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