給食トピックス

アリス ウォーターさんに学ぶ 食・農・暮らしの持続可能な未来

2018年4月21日(土)
滋賀県びわ湖ホールで

アリス・ウォータースさんに学ぶ 食・農・暮らしの持続可能な未来

というシンポジウムが開催されました。

食を題材とする教育をテーマに、米国でエディブル・スクールヤード活動(※1)等に取り組むアリス・ウォータース氏の基調講演や県内小学校の活動報告などを通じて、SDGs(※2)につながる取り組みへ理解を深め、実践いただくきっかけとなるよう開催されたものでした。


※1 アメリカ、カルフォルニア州バークレー市にある公立中学校「マーティン・ルーサー・キング中学校」を始まりとする校庭内での菜園づくりと、収穫した作物を使って料理を行い食事をする、食を通じた持続可能な生き方のための教育プログラムです。1995年から活動が始まってから20余年、現在64ヶ国5,510校がネットワークに参加しています。

※2 2015年9月、193の国連加盟国の全会一致によって2030年までの「持続可能な開発のための目標 Sustainable Development Goals:SDGs」が採択されました。2018年のアクションプラン(日本)


 

定員600名にも関わらず参加申込みは直ぐにいっぱいになり、キャンセル待ちも多数あったそうです。今回その中で参加できたことをとても嬉しく思います。

シンポジウムは滋賀県三日月大造知事の開会挨拶から始まり、
アリス・ウォーターさんの基調講演が開かれ、配られたイヤホン越しに同時通訳が行われました。

ファストフードが食べ物の主流文化になっている現在、アメリカでは20%の人が車の中で食事をとり、子どもたちの2人に1人が肥満状態にあると主張するアリスさんは、カリフォルニア州バークレーにある世界的に知られるレストラン「シェ・パニーズ」のオーナーシェフを務めています。近年の低価格、高カロリー、均一性で即効性がもとめられる食事に対してスローフードを普及させた立役者でもあります。

 

 

 


ファストフードの価値というのは、すべての食べ物が同じ味で同じ見た目で、すぐ食べることができるという「均一性」と「即効性」にあります。そこにより安く、よりたくさんの量をもとめられます。
その背景に疑問をもつ子ども、大人はどれだけいるのでしょうか。
安く買えることは、どこかでその価格の穴を埋めている人がいるということです。

食は大地の恵みであり、人に渡るまでに収穫する人、売る人、調理をする人が存在します。それぞれの役割を理解し・協力し、感謝することで敬意と思いやり養うことができるとおっしゃていました。
そういった意味で日本では、食育というカリキュラムの中で日頃子どもたちは「食」に対する理解を深めていますね。それをどこまで落とし込めているのでしょうか。

 


ファストフード・カルチャーが根強く広がっている現在に、スローフードの価値観(多様性、寛大さ、単純さ、協調性、美しさ)を定着させるには長い道のりであるとアリスさんは言います。エディブルスクールヤードでは、お金を出せばなんでも手に入り満たされる世の中に対し、ほんとうのもの、真なるもの、価値の変わらないもの、お金では買えない、健全で、健康的で、持続可能な生活を送るうえでいちばん大切なものの価値を深く理解することこそが、心から満たされることであると教えます。


 

 

 

 

その教えに賛同し様々な活動を行っている滋賀県では3校の小学校が活動報告を行いました。

 

 

近江八幡市立島小学校
農業体験では、複数の教科を組み合わせながら、年間を通して行う学習を取り入れています。食物を育て、収穫し、料理をし、皆で食べることで食べ物の味がよくわかり、味覚と食への意識が豊かになるのではないでしょうか。

 

 

 


 

大津市立上田上小学校
子どもたちが菜の花や大豆を育て、黄金漬けや味噌を作る。さらにその種を下級生に引継ぎ、伝統食品のみならず思いも継承されます。自然と調和した豊かな生活を送る資質を育てるという素晴らしい精神のもとに教育がなされていました。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

草津市立渋川小学校
児童自ら「滋賀の郷土料理」「世界農業遺産」について体験、学習し地域の人々を中心に発信しています。アリスさんは“食べることは大きな喜びをもたらす力を秘めている”と提唱しており、渋川小学校の児童はその“喜びを味わう方法”をしっかりと理解しているように感じました。


 

最後にはパネルディスカッションが行われ、
モデレーターに一般社団法人NELIS代表のピーター.D.ピーダーセンさん。
パネリストはアリスさんをはじめ、一般社団法人Think the Earth理事の上田 壮一氏、大津市越 直美市長、滋賀県三日月 大造知事でした。

 

 

 

 


三日月知事、越市長それぞれからびわ湖という食材の宝庫を活かし、滋賀の良さを子どもたち自身が感じて発信できる力を育む環境を提供したいという姿勢がみられ、県や市の協力があることで取り組める活動の幅が広がるなと感じられました。

 

その後、参加者とパネリストの間で質疑応答が行われ、シンポジウムが終了しました。


 

 

日本では食育推進基本計画が制定され、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることができるよう、学校においても積極的に食育に取り組んでいます。
食べるということは生きる上での基本であるのに関わらず、栄養バランスに配慮した食生活、食文化の背景を理解ができている人ばかりではありません。保護者や栄養教諭を始め、私たち大人の役割は、子どもたちの食に対する関心を高め、喜びを味わう方法を教えることではないでしょうか。

 

 

 

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