給食トピックス

第56回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会(徳島)

DSC_8369 7月29日、30日の2日間、徳島市のアスティとくしまにおいて第56回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会が開催されました。 文部科学省、徳島県教育委員会他の主催で全国の栄養教諭・学校栄養職員約700人が出席し、学校における食育の推進や学校給食における適切な食物アレルギーなどについての講演が行われ、また分科会において協議されました。


DSC_8166 初日は、すだちくんとあわみちゃんが参加者をお出迎え。 徳島市教育委員会教育長の挨拶で開会し、1日目は全体会、2日目は8つのテーマに分かれた分科会が行われました。 会場では学校給食にかかる物資、サービスなどの展示も行われ、サンプルの配布が行われました。 給食ひろばも出展して皆さんに覚えて貰おうとアピールしておりましたがパンフレット等受け取っていただきましたでしょうか。


DSC_8213文部科学省説明 「学校における食育の推進と栄養教諭の役割」

  開会式の後の文部科学省説明では、冒頭にスポーツ青少年局学校健康教育課のスポーツ庁設置後の組織変更について説明がありました。 決定ではないと前置きしながらも「初等中等教育局」への移管となりそうです。課名については「協議中」。 担当業務は従来学校健康教育課の「学校給食・食育、学校保健及び学校安全」がそのまま移管されるとのこと。

 栄養教諭制度の成り立ちと歴史を省みると、とても興味深い動きです。 実はこの組織変更が最も気になっていました。 栄養教諭制度については実は身内であるはずの初等・中等教育局が反対していたからです。 初等中等教育局としては家庭科、養護教諭の業務を狭めたくなかったのです。 今回栄養教諭制度が初等中等教育局に移管することにより何が起きるか注目されます。 特に栄養教諭の配置数、食育の教科化などがどうなるか、という点です。


 来年度から始まる第三次食育推進基本計画が現在策定中であることについても説明がありました。 キーワードは「多様な関係者のつながり」、「連携・協働」、「食や世代の循環」だそうです。 重点課題の方向としては、①若い世代に対する食育の推進、②家族形態の多様化等に応じた地域等での食育の推進、③食文化の敬称や食品ロスの軽減など持続可能な社会の実現に向けた食育の推進、④食育推進の基盤づくり、が挙げられています。 これらの課題について学校給食において何を担うのか、というところが今後整理されてくるものと思います。


 学習指導要領に基づく指導の充実やについては、各学校毎で食育格差が生まれていて、その原因は校長のリーダーシップ次第であるとの認識はあるようです。 この点については、栄養教諭さんの話を聞いていくと必ず出てくる問題点でもありますし、栄養教諭や学校栄養職員単独では解決できないものとして、文部科学省の手腕が問われます。 実はこの点についても「初等中等教育局」への移管が鍵になってくるものと思われます。

 今回は食品ロスの課題についても言及されていました。 文部科学省としては環境教育や食べ残しのないような献立立案を以って当たりたいとしていました。


DSC_8252記念講演 「小さなときから美味しい味を身につけよう」

 今年の記念講演のゲストスピーカーは、徳島県出身で料理研究家・ファミリークッキングスクール主宰の浜内千波さん。 「小さなときから美味しい味を身につけよう」というテーマでお話をいただきました。

 第二の脳といわれる腸の働きと食物繊維摂取の必要性、特に水溶性食物繊維の豊富な大麦をセカンドミール効果と併せて勧めていました。 その他ビタミンB1、免疫力を上げる野菜、世界的な減塩活動の動向についても説明がありました。

 料理と献立作成については、献立をあれこれと考えていると悩んでしまいがちであるが、食材を中心に置き、煮る、炒める、焼く、蒸す、揚げる、あるいは生、といった調理法を選択することによって楽になるのではないか、という提案もありました。 野菜を加熱するときの温度帯と時間によって、うま味が溶け出したり煮崩れしなかったり、栄養素の吸収力にも影響するというお話や、野菜がもつ「うま味」を組み合わせることにより「出汁」を使わななくてもしっかり味が感じられる料理も可能だというお話も興味深かったです。


DSC_8263践発表 「食育を通して児童に育てたい力」

 実践発表では徳島県内で昨年度スーパー食育スクールの指定校となっていた阿波市立伊沢小学校における「食育を通して児童に育てたい力」の研究発表が行われました。 食育については「食に関わる学習や体験・活動を通して児童の心や体を育て、生きる力を身につける学習である」と位置づけ、特に「食を通して言語能力を育成し、生産活動に肯定感を高める食育プログラムの開発」を研究主題としていました。


  食を通じて豊かな感性を育む、というテーマに対し、各学年ごとに単元目標を設定し実践します。 例えば1年生では、地元の野菜を使ったバーベキュー大会で、生の玉ねぎなどをかじらせその感想を言葉にしてもらい、その言葉を使ってなぞなぞを作ってく。 2年生では野菜を育てその観察を通じて感じたことなどを五・七・五で表しカルタにする、といった具合です。 特に野菜の栽培を通じて、野菜が病気になったり、回復したり、小さな種からたくさんの実をつけることに野菜の命のたくましさやはかなさを実感し、それを言葉に表現するようになったようです。トマトを使った調理実習では、素材の段階から食感までオノマトペを活用しています。


  そして、食育を通じて言語事項と関連付け、体験に基づいた自分の辞書を作りました。 そしてその表現力を発揮する機会を設けます。 イベントでは児童たちが作った地盤産野菜を使った料理のレシピを配布し、説明しました。 考えたことを伝えること、収集した知識や情報を関連づけること、目的や意図に応じて話の構成を工夫すること、それを初対面の方を相手に伝えることなどの実践です。 イベントでの相手から「ありがとう」の言葉で自信がつき、伝え合う力が育まれていきました。


 これらの活動について食育推進委員会の委員からの評価として面白かったのは、ゲストティーチャーを務めた生産者も「楽しい経験で、自身の勉強になった」というコメントでしたでした。 学校医の方の「地域と小学校が身近になり、教員が育っている」というコメントが印象に残りました。


DSC_8268講演 「学校給食における適切な食物アレルギー対応」

 1日目、最後は文部科学省の「学校給食における食物アレルギー対応指針」作成委員会の顧問で、個相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部部長の海老澤先生による「学校給食における適切な食物アレルギー対応」の講演です。


 スライドの表題には「文部科学省の研修資材の意義とその活用」とありました。 調布市の死亡事故以来、文科省の今後の学校給食における食物アレルギー対応について最終報告が平成26年3月に提出され、それを受けて平成26年度一年かけて文科省と日本学校保健会の2つの委員会で作業が行われ、平成27年3月末に全国の学校に配布されています。 配布されていますか? 読まれましたか?


DSC_8274 今回の講演内容と、配布資料は全く同じ内容になっています。 ①学校におけるアレルギー疾患対応の基本的な考え方、②学校生活上の留意点(食物アレルギー、アナフィラキシー)、③緊急時の対応の三本柱です。 そして、その資料はPDF、DVDはYouTubeに掲載されており、それぞれ文部科学省のWEBサイト内「学校給食における食物アレルギー対応について」のページにまとめられていますのでご覧になってください。

お知り合いとの共有にもこのサイトのURL、http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/1355536.htm を示すと良いでしょう。


DSC_8294 二日目の分科会では8つのテーマ会場に分かれての分科会でした。 みなさん、それぞれ課題として興味のある分科会に入り、発表を聞き意見交換をされていました。

 


DSC_8208 来年の第57回全国栄養教諭・学校栄養職員大会は大阪で開催されます。 また大阪でお会いしましょう。 その前に秋に高知で研究協議大会がありますね。 そちらでもお目にかかれますよう願っております。

 

 

 

 

 

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