給食トピックス

本庄上里学校給食センター・災害時における「炊き出し」研修会

 2019年10月24日、埼玉県本庄市に位置する本庄上里学校給食センターを訪問しました。 災害時における「炊き出し」研修会に参加するためです。

 これまでも炊き出し訓練は毎年行われていて、小中学校の児童生徒の体験が多かったのですが、今回は、本庄市、上里町の両主催者(本庄市長、上里町長)はじめ、県会議員、組合議長、副議長、市町の防災担当者、日赤・食改などのボランティア団体が参加しました。


 本庄上里学校給食センターは、本庄市と上里町が手を組んで立ち上げた本庄上里学校給食組合、埼玉県では唯一の教育分野における一部事務組合が運営している共同調理場です。供用開始は平成21年1月。10年目になりますが、建設当時のコンセプトが、食の安全、食育の推進、地域の安心、の3つでした。

 「地域の安心」は災害時への対応機能のことです。非常用電源装置による自動炊飯システムの稼働が計画に盛り込まれました。炊飯設備だけでなく96m3の貯水槽、約1000kgの精米備蓄が設置されました。
10,000食から12,000食の米飯を提供することが可能です。

 今回は本庄市、上里町の防災担当者にからそれぞれの説明をいただき、特に台風19号への対策と実際の避難所開設・運用などを通してわかった課題などが共有されて、とても貴重な機会になりました。

 給食センターに勤務されている県の栄養教諭の先生からは、平時、災害時の食品衛生管理のお話をいただきました。

 そして、おにぎりの作り方。手洗い・消毒後にコンテナの中にあるわかめご飯、予定食数になるよう分けて。ラップの上にわかめご飯を乗せて包んでおにぎりを作ります。難しいことではありませんが、衛生管理の基本動作を参加者どうしで再確認しました。指示通りにしたつもりですが、ちょっと大きすぎたようです。ふたつに分けました。

新たな気づきとしては、本庄市と上里町、それぞれが一部事務組合である本庄上里学校給食組合が「災害時における応急生活物資供給等の協力に関する協定」を締結している点で、一部事務組合と当該市町の関係を再認識しました。まるで別の自治体のようです。

 いざ必要となった場合、市町は組合に対して協力の発動を要請することになっています。実際の災害時に誰が炊飯を担当するかについては、調理業務委託契約の仕様書に反映されていて給食会社が行うことになっているそうです。

 今回の研修が有意義であったのはおにぎりづくりはもとより、2市町の防災担当者、ボランティア団体の顔合わせになったことだと感じました。その連携の核になっているのが学校給食センターで、同じおにぎりをつくり、防災に関する情報共有が行われたということです。

 文部科学省は災害時の学校給食実施体制の構築が今後の学校給食における課題として挙げています。 停電や学校給食の損壊により、学校給食の提供ができない状況が想定されます。

 災害等の不測の事態に備えて学校給食再開までの間、どのようなバックアップが図れるか検討が必要とされています。 近隣の学校給食調理場、簡易給食の提供などがそれに当たりますが、学校設置者おいては事前の検討、近隣自治体との調整が必要になります。 都道府県においては市町村からの情報収集、学校設置者間の協議調整等が必要です。 それらを迅速に行うには平時から災害時の体制構築についての連絡協議を行っておくべきものと考えます。

 給食センターの見学、おにぎり作りの後は、その日の給食も試食させていただきました。 わかめご飯のセルフおにぎり、豚汁、鶏肉のカレーから揚げ、上里産小松菜のサラダ、牛乳です。 小中学校に提供されているのはおにぎりではなく「わかめご飯」です。

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