鳴門市の全ての小中学校と幼稚園の給食に主食の米飯とパンを提供している市学校給食会(同市撫養町)が、解散を検討していることが28日、関係者への取材で分かった。給食費の引き下げなどを目的に、市教委が8月以降、新しい学校給食センター(同市大津町)に米飯の提供業務を移管するため。給食会は「パンだけでは採算が取れない」と解散理由を説明している。

 給食会は現在、19校・1分校と13園(計約5500食分)に米飯を週3回、パンを週2日提供している。センターに米飯を切り替えることによって、会の売り上げは現在の4割に落ち込む。一方、給食費は中学校の場合、1食当たり86円から36円に引き下げられるという。

 市教委は給食会の存続や職員の雇用継続に向け、センターでの炊飯業務を会に委託する案や、会の職員をセンターの嘱託職員として雇用する案を提示。しかし、金銭面で折り合えず、解散せざるを得ない状況になった。

 給食会は1958年に市内各校のPTAの出資で設立された財団法人。現在は、正社員6人と臨時職員4人の計10人が働いている。

 職員は年度途中での解散の場合、再就職が難しくなるとして、3月末での離職をいったんは決めたが、「保護者や子どもたちに迷惑は掛けられない」と、予定通り7月末まで米飯やパンの提供を続けることにした。

 市教委は「出せる提案は、全て出したつもりだ」と説明。給食会の卯木英司理事長は、解散は選択肢の一つとしながら「他にいい方法が市側にはなかったのか」と話している。

 新しい給食センターは16年度に着工。近く完成し、8月から稼働する。