人口減食い止めろ 大子町が県立高に給食+Uターンに助成

 人口減に悩む大子町が地域活性化に向け、相次いで少子化対策や定住促進策を打ち出している。来年度から県立大子清流高(同町大子)で希望者に給食サービスをスタートさせるというのがその一つ。このほか、大学進学などで教育ローンを借りて、卒業後に町内にUターンし、5年以上定住する場合、最大で100万円を助成する事業を開始しており、あの手この手で魅力度アップに努めている。(田中千裕)

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 県立大子清流高は町内出身者が多く通うことで知られるが、人口減に伴い在校生も年々減少。定員割れの状況が続いている。このため、町では来年度予算案に同校の「魅力づくり活性化事業」として1165万円を計上した。給食サービスはこの中から賄われる。保護者の負担軽減などが狙い。

 幼稚園や小中学校の給食を作っている学校給食センターが、県立大子清流高分も作る。保護者アンケートの結果に基づき、在校生約270人中、6~7割の約180食の配食を見込んでいる。自己負担は1食約250円。6月に開始する予定だ。町では「安くて栄養バランスのいい給食を提供したい」としている。

 一方、学生が卒業後にUターンした場合の最大100万円の助成については、当然のことながら条件はある。

 大学や大学院、短大、専門学校などへの進学のために教育ローンを借りた人で、今年3月以降に卒業し、卒業した年の12月末までに町にUターンし、その後5年以上定住する意思があることなどだ。親の所得制限もあるが、「1千万円以下」と決して厳しいとはいえない。

 金融機関と教育ローンの契約をする前に、町に登録の申し込みをする必要がある。助成されるのは卒業時における借入残高の2分の1と100万円のうち、少ない額。最大100万円が年1回、計5回に分けて支払われる。最低5年住んでもらうための担保措置だという。

 これに関連し、常陽銀行、筑波銀行、県信用組合はこの制度の登録者に対し、教育ローンを特別金利で提供している。

 綿引久男町長は「進学後、町に帰ってこない若者が多いのが人口流出の一因」とみており、この助成事業を人口減対策の柱に据えている。

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