食育で子どもに笑顔 那覇でシンポ、半年間の実践報告


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
親子が農漁業や調理を体験した事業を報告し「続けることが必要」と語る関係者ら=20日、那覇市の教育福祉会館

 子どもたちに食の力を付けてもらおうと琉球新報社が実施した2015年度消費者ニーズ対応型食育活動モデル事業の総まとめとなる食育事業シンポジウムが20日、那覇市の教育福祉会館であった。事業への参加者らが約半年にわたり展開した農漁業や流通、調理などの実践を振り返り「参加した子どもに劇的な変化は見えないが、毎回笑顔がいっぱいで地域が活性化した」などと成果を語った。

 第一部では助産師の内田美智子さんが「いのちをいただいてつなぐこと」と題して基調講演し「食べることが子どもの心と体を育てる」と強調した。
 同事業は15年7月~16年1月、読谷村の儀間子ども育成会が地域の畑を使って野菜栽培や調理を体験した。都市型事業として那覇・南部地域でも、食育行事などに参加しにくいひとり親が同様の体験に参加した。
 儀間子ども育成会の新城裕聡会長は「親も子どもも忙しく、やりたくても普段の日にはできない。事業があったから親子でレシピ考案や調理に取り組めた」と評価した。都市型に運営協力したコープおきなわ総合推進室の鈴木健美さんは「1度参加すると楽しくてリピーターになる人もいた。少しずつでも続けることが必要」と振り返った。
 会員に参加を呼び掛けた県母子寡婦福祉連合会の小那覇涼子さんは「いい事業だったが親の参加が難しく、スタッフが親代わりに付き添ったこともあった。もっと多くの子に参加させたかった」と課題を挙げた。