広島県産チヌのおいしさ知って 尾道の小学校で特別授業、給食にも登場

 全国有数の漁獲量を誇る県産チヌ(クロダイ)の生態を伝え、子供たちの消費拡大につなげようと、尾道市向東町の市立向東小学校で、広島大大学院の准教授と地元漁師を招いた授業が行われた。給食では、尾道産チヌを使ったメニューが出され、児童たちはおいしそうにほお張っていた。

 市によると、県産のチヌは平成25年度の漁獲量が382トンと全国一で、うち52トンを尾道産が占める。しかし、その独特なにおいで敬遠されることも。市はそうした事情を考慮し、昨年7月から広島大と尾道水産青年協議会と連携、うまみ成分の実証やPRを行い、消費拡大に努めている。

 授業は、地域の産物について学ぶ同小3年の2学級(計67人)で実施。広島大大学院の海野徹也准教授と、漁師でもある尾道水産青年協議会の仁田俊会長が教壇に立ち、チヌの模型を持って「チヌは1回で100万近くの卵を産みます」などと生態を説明した。

 チヌの実際の卵や歯が披露されると、児童たちは興味深く見学し「チヌはどれくらい大きくなるんですか?」などと次々に質問していた。

 給食では尾道産チヌの竜田揚げが並び、講師の2人と児童らが一緒に、地元が誇るチヌの味をたっぷり楽しんでいた。

 参加者の1人、檀上優斗君(8)は「チヌのことをたくさん知った。勉強したことを自慢したい」と喜び、海野准教授は「魚の大切さや育つ環境を知ってもらい、海を守っていく心が芽生えてもらえたらうれしい」と話した。

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