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最後の給食、知多牛ハヤシ 美浜町で卒業式前に中3生ら舌鼓

2022年3月2日 05時01分 (3月2日 15時13分更新)
知多牛を使ったハヤシライスを味わう3年生の男子生徒=美浜町の河和中で

知多牛を使ったハヤシライスを味わう3年生の男子生徒=美浜町の河和中で

 美浜町の全小中学生が1日、給食で地元産のブランド食材「知多牛」をふんだんに使ったハヤシライスに舌鼓を打った。3日の卒業式を前に、“人生最後”の給食となる中学3年生のために企画された特別メニュー。生徒たちは、新型コロナウイルスの感染対策のため、食事中の会話が制限される中、9年間の思い出とともに料理をかみしめた。(三宅駿平)
 今の中学三年生は、二年生以降の二年間、感染対策のため「黙食」を続けてきた。給食は本来なら友人らと語り合い、楽しむことができる時間。不自由を強いられた生徒のために、少しでも給食の思い出を残してもらおうと、町が急きょ、特別メニューを計画した。徴収した給食費とは別枠で町が負担し、知多牛五十キロを購入。趣旨に賛同した町内の精肉店の協力で格安で譲り受けたという。ハヤシライスは中学校二校と小学校六校の計約千七百人分が届けられた。
 河和中学校では午後零時四十五分ごろ、給食がスタート。配膳されたハヤシライスに、生徒たちは「めっちゃおいしそう」と声を漏らした。三年生計百二十人はそれぞれの教室で、全員が黒板の方を向き、黙々と料理を口に運んだ。
 校内放送では、「いつも給食をたくさん食べてくれてありがとう。感謝の気持ちを込めて、特別メニューを作りました。三年生は小中学校の教員にならない限り『人生最後』となる給食を楽しんで」と、給食センターからのメッセージが読み上げられた。
 三年生の中野心春(こはる)さん(14)は「自分たちのために企画してくれて本当にうれしい。知多牛は筋が少なく、軟らかな食感でおいしかった」と話していた。

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