市から提供された甘エビを使った給食「甘エビの具足煮」=金沢市田上小で
▼金沢市 全小中
地元で取れた海の幸に親しんでもらおうと、金沢市は市内の全小中学校に地元産の甘エビを提供している。田上小学校では9日、提供品を使った「甘エビの具足煮」が給食に出された。その前の授業では、児童と生産者の交流会が開かれ、漁師が海の恵みについて児童に説明した。(岩本雅子)
市は、子どもたちに地元の食材を知ってもらうために、毎年加賀野菜や甘エビなどを提供しているが、生産者交流会とセットの催しは初の試み。担当者は「給食を食べる前に漁師から話を聞くことで、より効果的になる」と話す。
給食前の授業では五年生百四十七人が、金沢市出身で漁師歴四十五年の鳥井淳二さん(65)の話に耳を傾けた。鳥井さんは「漁獲される甘エビは六歳以上だから、資源回復に時間がかかる。漁師は大事に取っている」「新鮮な甘エビは、光沢と透明感がある」など、魚や漁師生活などについて丁寧に話した。三上颯輝君(11)は「後継者がいないことが分かり、勉強になった。漁師さんの気持ちを考えて、感謝してたくさん食べようと思った」と話した。
甘エビの具足煮が給食で出されると、児童は「皮をむいた方がいいのかな」「おいしい」と言いながら一人一匹を頰張った。市は、二日から二十三日の期間中に、市立全小中学校向けに地元産甘エビ約三万七千食分を提供する。
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