<新型コロナ>新学校給食センター 館山市、9月稼働断念 中国からの資材入手が困難

2020年7月4日 07時36分

館山市が9月の稼働を断念した新学校給食センター。現在も工事が続く=館山市で

 館山市は三日、昨年九月の台風15号で被災した新たな学校給食センター(同市北条)について、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中国からの資材調達が困難になっているとして、当初目標としていた今年九月の稼働を断念せざるを得ないとの見通しを示した。完成時期は未定で、弁当持参の子どもたち以外は当分、ご飯やレトルト商品など簡易給食が続くことになる。
 新給食センターは、現給食センターの老朽化に伴い、昨年七月から市立北条小学校正面で工事を開始。敷地面積約六千百四十平方メートル、延べ床面積約二千百七十五平方メートルの鉄筋二階建てで、市内の幼稚園、小中学校に向け一日三千五百食を提供する予定だった。
 台風15号で工事現場の囲いがなぎ倒され、現場事務所が倒壊する被害にあったが、九月の稼働に向け、市と業者は工程の遅れは取り戻せると考えていた。だが、新型コロナでトイレや空調設備の部品が中国から届かなくなり、感染を避け現場作業員も人数を減らしており、工事はなかなか進まない状態にある。業者から、完成時期についての明確な回答はないという。
 市は六月、保護者に「九月の稼働には間に合わない」と通知し、理解を求めた。保護者からは「子どもたちの弁当作りが大変。新しい給食センターがいつ出来るか、見通しを早く示してほしい」といった切実な声が寄せられたという。
 台風15号で現給食センターは調理場の屋根が吹き飛ぶなど甚大な被害に見舞われ稼働能力は大幅に低下、簡易給食しか提供できない状態に陥っている。
 市によると、簡易給食を申し込んでいる児童・生徒は全体の四割で、残り六割は弁当を持参している。簡易給食の子どもたちも自宅からおかずを持参し、栄養のバランスを取っている。(山田雄一郎)

関連キーワード


おすすめ情報

千葉の新着

記事一覧