長崎和牛や県産魚を学校給食に 生産者支援で県

事業のイメージ図

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内外で需要が急減している県産魚や県産牛肉などについて、長崎県は学校給食での活用開始に向け各市町教委と調整を進めている。在庫が滞留している高級食材を県内の小中学校など537校の給食(11万7千人分)に提供することで需要を喚起し、価格の安定化を図りたい考えだ。
 県水産加工流通課によると、県産養殖魚は新型コロナの影響で、国内外に出荷できず過剰な在庫が発生。保管場所が足らず、えさ代もかさむ悪循環に陥っている。県産牛肉や地鶏も同様で、単価が下落し生産者たちは苦境に立たされているという。
 給食のメニューとして想定しているのは長崎和牛のサイコロステーキやビーフシチュー、養殖ブリやタイの照り焼きなど。県学校給食会に事業主体になってもらい、県産魚は計6回、県産牛肉などは計3回を上限に提供。食材購入費は国の補助事業を活用する。県は1日の県議会臨時会で可決された一般会計補正予算に関連の計約7億1300万円を盛り込んだ。
 県教委体育保健課は「給食の献立は7月まで決まっているところもある。各市町教委に調査を実施中」とし、県農産加工流通課は「7月中にも県産牛肉を給食に提供したい。通常では給食で食べられない和牛を味わってもらえれば」としている。

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