食品関連企業へのコロナ影響に濃淡 農水省が8社ヒアリング

 農林水産省は22日、食品関連企業8社を対象に、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関するヒアリングを行った。外出を控え自宅で過ごす「巣ごもり需要」を背景とした増産や出荷増の説明があった半面、飲食店や学校給食など向けの販売は厳しいとの声も上がるなど、濃淡がみられた。

 ヒアリングはテレビ会議方式で行われ、食品メーカーを中心に食品卸、卸売市場、食品スーパーの8社の経営トップが参加した。

 メーカーでは味の素の西井孝明社長が「家庭用商品を中心にフル生産を続けている」、日清食品ホールディングスの安藤宏基社長・最高経営責任者(CEO)も「5月も増産体制を敷いている」と説明。巣ごもり需要が背景とみられる。

 一方、青果卸売り、東京青果の川田一光社長は「業種間の差がかなりあり、デパートや飲食店、ホテル、学校給食などのルートは動いていない」と指摘。商品別でも「高級店に納めるメロンやマンゴーなどは大苦戦している」と話した。

 政府への提案も出た。日清食品の安藤氏は「(消費者の)パニック買いの防止策を作り、有事には間髪を入れず実行してほしい」と強調。食品卸、国分グループ本社の国分晃社長は、観光需要が減ったバスの運転手を物流現場にマッチングするための支援を求めた。

会員限定記事会員サービス詳細