2月27日に安倍晋三首相が新型コロナウイルスによる感染拡大を防ぐため全国の小中高校に臨時休校を要請した。その夜のツイッターで「医療関係者など社会を支えている職種の親はどうするのか。社会が崩壊しかねません」と発信した。
「休校」その日のうちに独自の判断
首相の表明を聞いて最初に私が感じたことは「学童保育をどうするのか」ということだ。確認すると学童保育は続けてほしいという。「現場の実態とズレがある」と感じた。学校に感染リスクがあるというなら学童保育はそれ以上にリスクが高い。同時に、社会を維持するために働いている保護者がいる。これは市として対策を取らなければならないと思った。
学校で分散して受け止めるしかないと考え、教育長に私から「せめて1年生だけでも見てもらいたい」と相談し、その日のうちに低学年は学校で預かるという千葉市独自の対応を検討することになった。特別支援学校については基本的に開けるという考えもまとめた。
政府で意思決定をしている方々の年代を考えると、学童保育の実態を知らなかったのだろうと思う。休校すれば保護者が困るという想像ができなかったのではないか。
現在は、特別支援学校を含め、ゴールデンウイーク(5月6日)まで一斉休校としているが、これからはゴールデンウイーク後の時点で「拡大した」「横ばい」「抑え込んだ」のケースごとに我々なりの考え方を示していかなければならないと思っている。
現場の「景色」を反映する
国の大きな方針は方針として理解しながらも、現場には「景色」がみえる。できる限りその両立をはかるのが我々の仕事だ。
3月19日に萩生田光一文部科学相が千葉市の小学校を視察に来た時も「国が決めたら何も考えずに地方の実情を無視してその通りにやるというのは違う。我々(国)が全体として進めたことに対して地方自治体が調整してもらうことこそ地方自治だ」と言っていたが、私も全く…
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