「学校再開ガイドライン」詳しい内容は?

「学校再開ガイドライン」詳しい内容は?
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新学期からの学校再開に向けて文部科学省は政府の専門家会議の提言を踏まえてガイドラインを作成しました。その詳しい内容です。

3条件重複 徹底的に避ける

ガイドラインでは、保健管理などの徹底として、これまで集団感染が確認された場に共通する、
▽換気の悪い密閉空間で、
▽多くの人が密集し、
▽近距離での会話や発声が行われるという3つの条件が同時に重なる場面を学校において徹底的に避けるため、換気の徹底や近距離での会話などの際のマスクの使用など具体的対応を明示しています。

出席停止や差別防止も

そして、感染者や濃厚接触者に特定された児童・生徒、基礎疾患などにより重篤化のおそれがある者は出席停止の措置をとるほか、医療的ケアが日常的に必要な児童・生徒などへの配慮、児童・生徒などの心のケア、感染者や濃厚接触者などに対する偏見や差別の防止を盛り込んでいます。

学習、行事、部活動、放課後児童クラブ…

また、学習に著しい遅れが生じないよう、
▼補充授業・補習・家庭学習などを実施、
▼入学式などの学校行事の実施に際し3つの条件が重ならないよう対策、
▼部活動の実施にあたり3つの条件が重ならないよう実施内容や方法を工夫、
▼学校給食の実施にあたり、配膳する児童・生徒の観察強化や会食の際の席を工夫、
▼教職員がり患した場合や濃厚接触者である場合には出勤させない、
▼放課後児童クラブなどの密集性を回避し、感染を防止する観点などから学校施設開放を推進、
▼新型コロナウイルスの影響などにより経済的に困難な家庭に対する支援として、入学料減免や就学援助の実施などを盛り込んでいます。

学校再開 10項目のチェックリスト

そのうえで、学校再開にあたってのチェックリストとして、
▼児童・生徒などと教職員の毎朝の検温、かぜ症状の有無などの確認を行う準備ができているか、
▼手洗いやせきエチケットの指導を行ったか、
▼学校医、学校薬剤師などと連携した保健管理体制を整え、清掃などにより環境衛生を良好に保っているか、
▼抵抗力を高めることが重要であることの指導を行ったか、
▼換気の悪い密閉空間、人の密集、近距離での会話や発声の3つの条件が同時に重なる場を避けるため、換気の徹底、近距離での会話や発声などの際にマスクの使用などを行うことを教職員の間で確認したか、
▼一斉臨時休校に伴う学習の遅れに関する対応策について検討したか、
▼入学式や始業式の実施方法を工夫したか、
▼部活動の実施にあたり、実施内容や方法を工夫したうえで感染防止のための対応を行ったか、
▼学校給食の実施にあたり感染防止のための工夫を行ったか、
▼放課後児童クラブや放課後等デイサービスのための教室などの活用について検討したかの合わせて10の項目を挙げています。

臨時休校ガイドライン

一方、令和2年度以降に臨時休校を行う場合のガイドラインとして、▼児童・生徒などや教職員の感染が判明した際は、当該児童・生徒などについて、学校保健安全法第19条に基づく出席停止、ほかの児童・生徒などについて濃厚接触者にあたると特定された場合、同条に基づく出席停止とするとしています。

そして学校の設置者は、
▼当該感染者の症状の有無、
▼学校内における活動の態様、
▼接触者の多寡、
▼地域における感染拡大の状況、
▼感染経路の明否を総合的に考慮し、都道府県などの衛生主管部局と十分に相談したうえで、学校保健安全法第19条に基づいて、感染した児童・生徒などや濃厚接触者の出席停止のみとするか、学校保健安全法第20条に基づいて学校の全部か一部の臨時休校を実施するか判断するとしています。

また、今後、どこかの地域でオーバーシュート=爆発的患者急増が生じた場合には今月19日の政府の専門家会議による状況分析・提言で示された見解に基づき対応することになるとしています。

このほか、
▼学習に著しい遅れが生じないよう家庭学習を課すことに加え、登校日を設定、▼保護者のみが出席する行事の活用などにより、教科書が遅滞なく給与されるよう対応、
▼学校給食を休止する際には保護者や関係事業者などと必要に応じ協議、
▼非常勤職員を含む教職員全体の働く場の確保、
▼放課後児童クラブなどの密集性を回避し、感染を防止する観点などから学校施設活用を推進することを盛り込んでいます。