2018年09月01日
町産ジビエへの理解深める
給食調理員ら対象に研修会
古座川町
鹿肉の肉じゃがコロッケを調理する学校給食調理員ら=8月30日、古座川町中央公民館

 古座川町中央公民館で8月30日にジビエ給食研修会があり、学校給食調理員らが鹿のすじ肉を食材にした肉じゃがコロッケを調理して味を確かめるなどして町産ジビエへの理解を深めた。

 この研修会は、同町教育委員会が主催、役場地域振興課が協力。平成28年度から学校給食における食材活用が本格化し、月1~2回の頻度で児童生徒に親しまれている町産ジビエについて知り、調理の幅を広げる趣旨で計画した。

 活用に弾みをつけるため、本格化直前に1回目の研修会が開かれた経緯があり今回は約2年半ぶりの実施。教職員の異動など人材の入れ替わりに伴い、理解を深める機会も定期的に必要という考えから実施するに至ったという。

 内容は座学と調理実習の2部構成とし、調理実習の講師には今回は田辺市湊にあるレストランTheCUEの料理人・更井亮介さん(28)を迎えた。座学では役場地域振興課の細井孝哲主査が、同町鳥獣食肉処理加工施設「古座川ジビエ山の光工房」における処理加工の過程を説明し、町産ジビエの販路として主に飲食店向けとアスリート向けの2系統で開拓に力を入れていることを伝えた。

 同町と株式会社カワ=広川町=が共同開発した「里山のジビエバーガー」が28年度のとっとりバーガーフェスタでグランプリに選ばれたことや、古座川ジビエ振興協議会が29年度のディスカバー農山漁村の宝選定で特別賞(ジビエグルメ賞)を獲得したことなど町産ジビエの評価も紹介し、そのような町産食材を味わい努力を感じられるような食育に役立てほしいと呼び掛けた。

 更井さんは、ジビエを扱う上で学んだ国内の鳥獣被害の現状や料理人としてジビエを扱う時のルール(生食は絶対NG・許可施設から仕入れる・肉の状態を確かめる・十分な加熱をする)や食感をやわらかくする知恵などを解説。座学後の調理実習で日本ジビエ振興協会主催の第1回ジビエ料理コンテスト鹿肉部門で最優秀賞を獲得したレシピ「鹿すじ肉の肉じゃがクロケット(=コロッケ)」を紹介し、実際に調理をした。

 仕上がったコロッケは参加者に加え町教委教育課職員も試食し、味を確かめた。町内では現在、三尾川小、明神小中、高池小の各校が自校方式の学校給食を行っていて(古座中は串本町のセンター方式の学校給食を利用)、今回調理したレシピは限られた時間で人数分の給食をそろえる中で十分取り入れられる内容だと学校給食調理員らは評価した。役場地域振興課は、10月から新たに販売を始める「鹿ステーキ(仮称)」を試食する機会を提供して町産ジビエの活用を促すなどした。

(2018年9月1日付紙面より)

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鹿肉の肉じゃがコロッケを調理する学校給食調理員ら=8月30日、古座川町中央公民館