2018年08月09日
安心安全の米を届けたい
学校給食米の収穫始まる
串本町
学校給食米を収穫する坂本渡副組合長(左)と見守る山下敏文組合長=7日、串本町高富

 串本町地産池消生産者組合(山下敏文組合長)が7日、学校給食米(=町内産コシヒカリ)の収穫を始めた。今年も組合全体で約15㌧の納入を目指していて、作柄はほぼ豊作。2学期の給食再開時から新米が味わえるよう、納入を急ぐとしている。

 同組合は学校給食における地産池消推進に協力する生産者の集まりで、平成21年度から町内産コシヒカリを学校給食米として同町に納入している。始めた当時は旧古座町域の各小中学校だけが学校給食を行っていて年間約4㌧を賄っていたが、28年度の学校給食センター本稼働で全町規模の学校給食が始まり必要量は一気に約15㌧まで拡大。これを賄うため、組合員を増強し休耕田を再興するなどして栽培面積を広げながら生産に励む状況にある。

 昨年から約15㌧の納入を目指して作付けを始め、収穫序盤は穂のつき具合から豊作傾向と見越したが台風や害虫の影響で実入りが振るわず。結果的に2学期分と3学期分計約10㌧を納めるのがやっとだった。今年は組合員が増え25人で約24㌶を作付けし、7月下旬の台風12号接近に伴う被害を心配したが影響はほとんどなく収穫できる状態を迎えたという。

 この日は坂本渡副組合長(65)が高富の水田で育てたコシヒカリを刈り取り。「子どもたちが『おいしい』と言ってくれるのがうれしく、それだけで作りがいがある」と話し、今年もその瞬間を期待しながら愛用のコンバインで作業に励んだ。

 坂本副会長の刈り始めを見守った山下組合長(68)は「安全安心の米を届けたい」という思いで必要量の全てを町内産コシヒカリで賄う状況を目指している。他方ではすさみ串本道路建設のための工事用道路設置で来年度以降数年ほどは作付面積が少なくなることもすでに考えていて、組合員の高齢化も踏まえて引き続き会員増強などの策を考えながら、同組合からの全量納入を目指すと語った。

(2018年8月9日付紙面より)

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学校給食米を収穫する坂本渡副組合長(左)と見守る山下敏文組合長=7日、串本町高富