大臣談話・大臣記者会見要旨

中川大臣記者会見録(平成30年6月19日(火)9:01~9:27 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、本日の閣議におきまして、環境省関係で2件の閣議決定がありましたのでお知らせいたします。第1に「第四次循環型社会形成推進基本計画」の策定です。本計画では、環境的側面、経済的側面、社会的側面の統合的向上を掲げた上で、重要な方向性として、地域循環共生圏の形成による地域活性化、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環、適正処理の更なる推進と環境再生などを掲げ、その実現に向けて概ね2025年までに国が講ずべき施策を示しております。とりわけプラスチックについては、国際的な動向も踏まえながら、来年6月に我が国が議長国を務めるG20までに我が国としてのプラスチック資源循環戦略を策定し、G20における海洋プラスチックごみ対策に関する議論でリーダーシップを発揮できるよう取り組んでまいります。
 第2に新たな「廃棄物処理施設整備計画」の策定であります。本計画では、3R・適正処理の推進、気候変動対策及び災害対策の強化に加え、地域に新たな価値を創出する施設整備の推進を掲げております。今後、両計画に基づき、関係省庁と連携して循環型社会形成に向けた施策を推進してまいります。
 次に、大阪府北部を震源とする地震による被害状況等について御報告いたします。はじめに、6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震により亡くなられた方々に対し、心よりお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様に改めて御見舞いを申し上げます。環境省では、発災直後の昨日午前に、官房長をトップとした環境省災害対策チームを設置し、廃棄物処理施設や動物愛護管理センターなど当省に係る施設の被害状況について、関係部局及び近畿地方環境事務所に情報収集を指示しているところです。また、災害廃棄物の処理等に係る事務連絡を関係自治体に発出し、留意点について助言をいたしました。なお、昨日現地を所管する近畿地方環境事務所において現地災害対策本部を立ち上げ、情報収集等の対応にあたっています。また、本日午後には、本省からと、それから近畿地方環境事務所の職員と、D.Waste-Netという災害廃棄物処理支援ネットワークの専門家を大阪府下の被災自治体に派遣いたしまして、災害廃棄物の発生状況の確認を行う予定でございます。引き続き、情報収集と適切な対応に努めてまいります。

2.質疑応答

(問)NHKの松田です。大阪府北部を震源とする地震についてなのですけれども、今日午後にも、本省から大阪府の方に派遣をされるということなのですけれども、これは大体、具体的に何人ぐらいでどういったことをされるのかということと、災害廃棄物、まだ全体像は分かってきていないかと思うのですけれども、大体どの程度発生するということが見込まれているのかということを、分かっている範囲で教えてください。
(答)本省から1名ですか、それと近畿地方環境事務所の職員、それからD.Waste-Netの専門家も1名ですね。この方々にやっていただくのは、災害廃棄物の発生状況の確認ということですが、まだ情報収集という段階でございます。いわゆる避難所とか、そのほか被災した場所からどういう廃棄物が出るのかということは、まだ情報収集の段階です。それと、廃棄物の処理施設ですね。実際に大阪府の吹田市の焼却施設において配管からの水漏れを確認しております。こういったところは、基本的には市で対応していただくわけでございますけれども、焼却施設等の状況を確認をすると、こういうことでございますが、現時点においてはまだ情報収集が十分にできておりませんので、引き続き情報収集と適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
(問)もう1問。今日、閣議決定された循環基本計画についてなのですけれども、プラスチックもさることながら、食品ロスについても、2030年度に2000年度の食品ロスから半減させるというような目標も初めて掲げて取り組まれるということなのですけれども、その食品ロスの削減にどのように具体的に取り組まれるのか、今ある方策を教えてください。
(答)第四次循環型社会形成推進基本計画に記載しております、特に家庭系の食品ロス削減目標の達成のためには、国、自治体等が連携した市民に対するきめ細かな普及啓発が必要だと考えております。環境省といたしましては、自治体によって進められている食品ロス削減に係る取組、これは普及啓発というのが中心になりますけれども、この取組を後押しするため、食品ロスの量の把握のための自治体の調査に対する財政的・技術的支援、それから学校給食から発生する食品ロス量の削減のためのモデル事業、例えば、学校で農作物を実際に生徒たちの手によって作ってもらえば、生徒たちはこれが食品になってということを実感してくれるわけですから、食品ロスにならないようにしようという意識が芽生えるというふうに思いますし、あるいはリサイクルを学習するということになると思います。そういう事業や、あるいは「食品ロス削減全国大会」の開催などにつきまして、関係省庁や自治体と連携して取り組んでいるところでございます。さらに、自治体の普及啓発に活用可能な広報資材や、自治体担当者向けの研修会の実施など、自治体のニーズに沿った支援を拡充していく予定でございます。こうした取組を通じ、関係省庁や自治体等と連携しつつ、家庭系食品ロスの削減目標の達成に向けた取組を進めていきたいと考えております。

(問)共同通信の清水と申します。ちょっと数字の確認になってしまうのですけれども、先ほど、現地、大阪ですね、本省の職員1人と、あと専門家1人が派遣される、そのほか近畿事務所の職員が派遣されるということなのですけれども、これは計何人。
(答)近畿が2人。
(問)近畿が2人。そうすると計4人、現地に派遣するという理解でいいわけですね。
(答)はい。
(問)あと、地元の自治体と今後連携して何か今回の地震に対応していく施策など、お考えであれば教えてください。
(答)これは情報収集して、その状況によって適切に対応していくということになります。
(事務方)1件補足をさせていただきます。先ほど大臣がおっしゃったように、具体的な協力については今後ということでございますが、本日の現地の調査に関しましては、大阪府さんも御一緒していただくということにしております。地方公共団体と既に御一緒に作業を進めておりますということで御理解いただければと思います。

(問)共同通信の藤井です。原子力防災の関連でお伺いします。1点目、地震の関係なのですけれども、先ほど環境省の対応を説明いただいたのですけれども、内閣府の原子力防災で地震の対応について教えてください。
(答)特に現在、被害等は確認されておりません。原子力発電所の関係でしたよね。
(問)対策チームをつくるとか、緊急時の対応としては情報収集とかもあると思うのですけれども、そういった対応って何かございましたでしょうか。
(事務方)地震が発生いたしました直後に、近畿地域、関西地域、その他の原子力施設含めて、被害が発生していないかどうかの確認をしております。具体的には、原子力規制庁と、あと内閣府原子力防災の方と共同で、緊急時、災害があった場合の情報確認等を行う体制を24時間体制でとっておりますけれども、その体制で確認をいたしまして、原子力関連施設についての被害はないということを、確認を当日しております。
(問)次は別件なのですけれども、先週末、大臣、島根原発の現地視察と、知事らとの意見交換されましたけれども、それも踏まえて、島根地域の緊急時対応の策定の進捗状況と課題について教えてください。
(答)今回出張いたしましたのは、この島根地域の特殊事情といいますか、PAZ、UPZに47万人の方が住んでおられます。大変多くの方が住んでおられるという、そういう状況がございますので、その状況によって、万が一の事故が起こった場合には、県内だけではなくて広島県や岡山県の方にも避難をしていただく必要がございますので、その辺の状況、避難経路とか受け入れ体制の確認、それから県庁所在地に存在をしております原子力発電所ということなものですから、県庁や松江の市役所の放射線防護体制をしっかりととっていただく必要がございます。そして、万が一の場合にもしっかりと機能を発揮していただく必要があるということで、そういった状況の確認。また、放射線防護対策施設であります東部島根医療センター、あるいは原子力災害拠点病院であります鳥取大学医学部付属病院、それから島根オフサイトセンターなどを視察いたしました。そして、島根原子力発電所にも行きまして、中国電力の社長と面談をいたしました。また、島根県知事、鳥取県知事及び松江市長と直接お目にかかって意見交換をいたしまして、島根地域の原子力防災対策の現状や課題について把握することができたというように考えております。原子力防災対策につきましては、こうした地域の実態や特徴等を踏まえ、現場に立脚しながら検討を進め、対応策を具体的かつ実効性のあるものにしていくことが重要だと考えておりまして、この島根地域の原子力防災対策の充実強化にいかしてまいりたいと考えております。ただ、この緊急時対応がいつまでに取りまとめられるのかというお尋ねでございますけれども、いつまでにと期限を区切って議論をするものではなく、調整、具体化すべき様々な点について、今後とも島根県、鳥取県等と連携しながら、しっかりと適切に検討を重ねてまいりたいと考えております。

(問)NHKです。ヒアリについてなのですけれども、先週、大阪の岸和田でヒアリが見つかったという案件があり、事業者の方だけでなく、防除に行った職員の方も刺されてしまうというような事案があったかと思います。水際防除は大切だと思うのですけれども、安全を確保しながらこれからどういうふうに対策をしていくのかということが求められると思いますが、何か対策があれば教えてください。
(答)環境省の職員、そして事業者の作業員の方がヒアリに刺されたということでございます。腫れと痛みがあったとのことでありますけれども、その後、健康上の支障は生じていないと聞いております。ただ、注意をしながら作業を実施していたが、刺されてしまったという報告を受けております。今後、作業上の注意点を職員や作業をされる方に対して改めて周知するなど、引き続き安全管理に努めてまいりたいと考えております。今回、港湾エリア外でヒアリの繁殖や定着を示す証拠は確認されておりませんけれども、輸入品を扱う事業者の皆様には、コンテナを取り扱う際には疑わしいアリがいないかを確認すること、アリがいた場合には、拡散防止のため、不用意に荷物を動かさないなどの適切な対応をすること、そして今申し上げましたように、さらに作業中の安全面の配慮をすることを改めてお願いしたいと考えております。これは、今年の3月29日に関係事業者に対しまして協力依頼の通知を発出しておりますけれども、今回の件を受けて改めて通知を発出することを検討しております。

(問)読売新聞の中根です。先週金曜日に、The Climate Group RE100代表のサム・キミンズさんがいらっしゃって、それでRE100の加盟というのを申請されましたけれども、この決断というのは大変素晴らしい決断だと思うのですけれども、改めて、RE100に入る意義と、あと大臣がRE100アンバサダー第1号になったということで、改めて決意をこの場で教えていただけませんか。
(答)RE100は、現在のところは、主として世界的な大企業が事業に使う電力を全て再生可能エネルギーにするという目標を立てて、その道筋に従って再生可能エネルギーでの調達を拡大していくと、こういう試みでございます。これについて、政府の機関、役所が入った例はないということでございますけれども、環境省といたしましては、まずこの取組を更にもっともっと日本の企業にも広げていきたいという思いでございますし、環境省自身も再生可能エネルギーによる電気の調達を、これから、いろいろなやり方がありますので、いろいろな工夫をしてしっかりと、最終的には再生可能エネルギー100%でこの庁舎の電源を賄うと、こういう目標を立てて、そしてそれに向かって進んでいきたいと思っております。そういう意味では、RE100大使ということで、その第1号に任命をしていただいたわけであります。ですから、このRE100の取組の重要性というものを広めながら、そして環境省自身も模範となるべく、再生可能エネルギー100%に向けての道筋をしっかりつけて、それに向かって進んでいくと。そういったことで、いずれは政府全体、更には地方公共団体の中にもRE100に加盟したいと、こういう動きも出ておりますし、中小企業もそういった取組を進めたいという動きも出ておりますので、日本全体として再生可能エネルギーの拡大に向けて歩みを続けて、その大きな原動力になっていきたいと、こういうふうに考えております。

(問)朝日新聞の川村です。1点だけ、細かいところで恐縮なのですけれども、大阪北部地震の関係で、本省から職員を派遣されてというお話なのですけれど、大阪府下の、具体的にもし入る自治体名とか、挙げられるものがあればお願いします。担当課の方でも結構です。
(事務方)御質問ありがとうございます。先ほど大阪府の職員の方と一緒にということを申し上げました。それで、大臣からも申し上げたように、まだ被害状況がよく分かっていないところがあるので、今日現地入りしまして改めて訪問先については調整をしようと思っております。現地のどんなところに参ったかということについては、後日、もしお求めがございましたらお話しできる用意がございますので、よろしくお願いします。

(問)毎日新聞の五十嵐です。循環基本計画で出ましたプラスチック資源循環戦略についてなのですけれども、来年のG20までに策定していくという目標がありますが、今後具体的に議論を進めていくに当たってはどのような枠組み、例えば有識者会議とか、審議会とか、そういった形の進め方がある程度見えていれば言及いただければと思います。
(答)現時点においては、まだどのような場ということを申し上げられる段階にはございませんけれども、有識者の方、それから産業界を始めとするステークホルダーの方の意見を聞きながら検討を進めていきたいと思っております。この点につきましては、経済産業省、それから産業界とよく議論しながら、どのような場で審議を行うことが適当かどうか、検討を進めてまいりたいというように考えております

(以上)