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“子ども主体”新指導要領のモデル校とは?

2018年4月30日 14:32
“子ども主体”新指導要領のモデル校とは?

文部科学省は2020年に学習指導要領を改定します。すでに、その新指導要領を取り入れている公立のモデル校を取材しました。

神奈川県にある「川崎市立東菅小学校」、今ここの授業がすごいと話題になっています。6年生の教室では、“総合的な学習”という思考力や判断力を養うための授業をやっていました。

この時は地元・川崎市の出身である芸術家・岡本太郎さんの絵画作品を児童たちがそれぞれ選んで討論。例えば「傷ましき腕(1936/49年再制作)」では――

子どもたち「外側に見えるように傷がついているけど、この人は内面が傷ついているように思った」「絵で平和のバトンを僕たちに渡してくれたんじゃないかと思いました」

先生は、アドバイスする程度で、大きな流れを作ります。新学習指導要領の目標は、「思考力」「判断力」「表現力」を高めること。そのためこの学校では、ほとんどの科目で子ども主体の授業を行っています。

また、昔は当たり前のようにあったあるものがないんです。

辻岡キャスター「チャイムないの?」

小学4年生「ないよー」「チャイム鳴らない」

自発的に行動ができるよう、チャイムを鳴らさないんです。休み時間に廊下で遊んでいても授業が始まる前には、席についています。

子ども主体の授業は4年生の算数でもありました。問題は「2700×30」、一見、普通の計算問題のようですが――

杉山教諭「この学習問題から、あなたたちの言えることはなんですか」

すると、次々と児童が立ち上がり――

子どもたち「筆算が使えると思います」「ゼロ消し作戦(27×3を使って)で工夫すればいいんじゃないかな」

それぞれが考えた計算式を発表し、問題を解いていきました。実はこちらでは授業中の「自由発言」が大切にされていて、発言をしたい子はどんどん立ち上がっていきます。また、黒板の前に座り込んで授業を受けてもOKなんです。

しかし、児童主体で授業はできているのでしょうか?

東澤教諭「(教員は)ここがポイント、ここが今日の授業の大切なところって時は、(児童を)立ち止まらせて考えさせるとか、狙いに向かって話し合いが進むように考えています」

新しい教育のモデルとして、小学校だけでなく中学校からの視察も増えているそうです。4時間目も終わって、辻岡キャスターも一緒に給食です。

辻岡キャスター「お兄さんが小学生の時、授業中立ち上がったらいけなかったもん」

子どもたち「えー」「なんで立っちゃダメなの?」

辻岡キャスター「そうだよね…」「このアウェー感なんだろう?」



卒業後、進学した中学校では、生徒会長を務めるなどリーダーシップを発揮する子が多いといいます。