伊勢崎市、弁護士に滞納給食費の回収業務委託 群馬県内初の試み

 深刻な小中学校の給食費滞納に対応するため、伊勢崎市教育委員会は2日から、未収金の回収業務を弁護士法人「舘野法律事務所」(東京都渋谷区、舘野完代表)に委託した。支払い能力があるのに再三の催告に応じず、10万円以上を滞納している保護者を対象に、147世帯の計約3818万円分を回収する。学校給食費の回収業務を外部委託するのは県内では初めてという。

 同市の給食費は小学校で年額4万4700円、中学校で同5万3千円。

 未収金額は昨年度末時点で、平成16年度からの累積で36の市立幼稚園、小中学校で約8050万円に上る。なかには1世帯で約124万円も滞納しているケースもあるという。このため、法律の専門家に業務を託すことで収納率の向上を図る。

 市教委によると、債権回収で実績のある弁護士に依頼し、滞納保護者への督促などを任せる。委託期間は来年3月31日まで。弁護士法人への報酬は回収できた金額の26%(税別)を手数料として支払う。

 滞納給食費の回収をめぐっては、これまで各学校が支払いを求め、市教委も年2回、督促や催告をしてきた。だが、収納に結びつかず、「義務教育だから当然、給食費は無料」などとして、まったく応じない保護者もいるとしている。市教委では「公平性の観点から給食費をしっかり支払ってほしい」と話している。

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