長野市選管「選挙に関心を」 小学校で模擬投票

 長野市選挙管理委員会は、子供たちに選挙への関心を持ってもらう初の試みとして、市立下氷鉋(しもひがの)小学校で「模擬投票」を行った。実物の投票用紙や投票箱などを用いた本番さながらの選挙に、児童たちは興味津々に取り組んだ。

 模擬投票は同校6年敬組の社会科の時間に実施され、28人の児童が参加。まず市職員が、過去の県知事選や市議選などを例に、投票の方法や選挙活動の仕組みを紹介。20~30代の若い世代の投票率が低下している現状を説明し、「日頃のニュースなどに関心を持って、投票できる年齢になったら大切な一票を投じてください」と呼びかけた。

 質疑応答の中では、児童から「得票数が同じになったときはどうやって決めるんですか」との質問が出て、市職員が「実はくじ引きで決めるんです」と答えると、児童からは「えー」と驚く声が上がった。

 その後、普段の選挙で実際に使われている投票用紙や投票箱、記載台などが準備され、「下氷鉋市長選挙」と題した模擬選挙を実施。児童らは「休み時間を増やします」「給食をバイキングにします」など、学校の変革を訴える架空の3人の候補者の公約を掲載した広報紙を参考に1票を投じた。

 全員が投票した後、市職員が開票作業を行い集計。担任の教師を含む全29票のうち、「パソコンやタブレットの配布」を公約に掲げた候補者が、21票を獲得して圧勝した。同組の田中稜人君(11)は「みんなのためになることをやってくれそうな人に投票しました。本物の選挙にも行ってみたい」と話していた。

 同市内の小学校ではこれまで、社会科見学で国会議事堂を見学したり、教科書で選挙の仕組みについて学んだりしていたが、6月の法改正で、憲法改正の国民投票で投票できる年齢が4年後に満18歳以上になることが決まったことを受けて、市選管は子供に選挙を体験して身近に感じてもらおうと、市内の小学校での模擬投票を行うことにした。年度内に市内の小学校数校で同様の模擬投票を開催する方針だ。

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