震災6年

備蓄食で炊き出し訓練 鈴鹿市、給食中止問題きっかけ

 東日本大震災から6年を迎え、鈴鹿市は10日、市立の全30小学校と全13幼稚園の子供や教職員ら約1万3千人を対象に、備蓄食を提供する炊き出しなど防災訓練を実施した。同市は昨年、野菜価格高騰を理由に2日分の給食中止を表明したが直後に撤回。1日分は経費を工面し給食を実施。もう1日分は備蓄食による訓練にするとしていた。末松則子市長は「地域の応援もあり、給食問題をきっかけに有意義な防災訓練ができた」と話した。

 訓練では、給食センターや単独で調理する19校で午前8時ごろから米を炊き、非常時用の備蓄食で温めずに食べられるというレトルトカレーとともに昼食として提供した。

 市立河曲小では、地震が起きたという想定で避難訓練をした後、体育館で防災学習を実施。体育館の横では、同地区の約50人が大鍋を使って約600人分の野菜スープを作り、昼食で児童らがカレーと一緒に味わった。6年の木林紗彩さん(12)は「カレーは温めなくてもおいしい。スープもコクがあっておいしい」と話していた。

会員限定記事会員サービス詳細