シネマプレビュー

「めぐりあう日」

 生みの親を知らない理学療法士のエリザは実母を探し、息子のノエとともにフランス北部のダンケルクに引っ越す。ある日、ノエの通う小学校で給食の世話をしているアネットが治療のため、エリザの診療所を訪ねてくるが…。

 フランスで養父母に育てられた韓国出身のウニー・ルコント監督が、自らの人生と重ねるように母娘の物語を紡いだ。出自が分からない限り、迷いから抜け出せないと悩む主人公の心の揺れを、ところどころ焦点をぼかした描写で見事に表現。ダンケルクのどんよりとした空気感ももどかしさを代弁する。30日、東京・神保町の岩波ホールで公開。1時間44分。(藤)

 ★★★(★5傑作 ★4見応え十分 ★3楽しめる ★2惜しい ★1がっかり ☆は半分)

会員限定記事会員サービス詳細