ライオンはこのほど、ノロウイルスによる食中毒が気になる時期に向け、「正しい手の洗い方」と「適切な手洗いのタイミング」についての情報を公開した。

汚れの残りやすい場所

秋から冬にかけてはノロウイルスによる食中毒に注意が必要な時期で、特に今年は新型のノロウイルスが流行する恐れがあるとも言われているという。そこで同社は、ウイルスを体の中に入れないために、普段より丁寧に手を洗うことが重要であるとしている。

今回は、同社のヘルスケアマイスター・山岸 理恵子さんが手の汚れについて行った実験の結果を公開した。手を洗った後に残った汚れについて、どの部分に汚れが残りやすいか実験したところ、「指先」「指と指の間」「手首」に汚れが残っていることがわかった。

手洗い時間(自己申告)について聞くと、30秒以上かけて手を洗っている人は、小学生が28.4%、中学生が14.9%、保護者(大人)が10.6%だった。山岸さんによると、手洗いを正しく行うと、泡を立てた後から洗い流す前までの工程だけで最低でも30秒はかかるという。「洗い残しを防ぐためにも、正しい手の洗い方を覚えて実践することが大切です」。

正しい手洗いのポイントは「こすること」「ねじること」だという。まず、時計や指輪を外してから手をぬらし、石けんやハンドソープをあわ立て、手のひらをこすって洗う。続いて手の甲もこすって洗い、指の間は両手を組むようにこすり合わせて洗っていく。

親指は反対の手で、手首も同様に反対の手でねじるようにして洗う。指先や爪の間は、手のひらの上で指先をこするようにするのがコツとのこと。そして、流水で石けんやハンドソープの汚れを十分に落とし、乾いた清潔なタオルで拭き取る。

正しい手の洗い方

続いて、通勤後の手を水だけで洗ったときとハンドソープで洗ったときの汚れを比較した。その結果、水だけでは十分に汚れが落ちていないことがわかった。

「石けんやハンドソープの洗浄成分である界面活性剤には、汚れを包みこんで手から引き離す働きがあります。界面活性剤自体にはノロウイルスを直接失活する効果はありませんが、ウイルスを手指から洗い流して体の中への侵入を防ぐ効果が期待できます」。泡と泡のすき間には汚れを吸い寄せる作用があるため、ソープはよく泡立てることが大切とのこと。

また、ノロウイルス対策として重要な手洗いのタイミングについても解説した。適切なタイミングは「調理を行う前後」「食事の前」「トイレに行った後」「下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後」。さらに「外出から帰った後」「動物に触った後」「咳・くしゃみを手でおさえた後」の手洗いも大切であるとアドバイスしている。