堺のO157食中毒 3人目の遺族と補償合意

 平成8年に堺市で発生した病原性大腸菌O157による集団食中毒で、同市は19日、死亡した小学5年生だった女児=当時(10)=の遺族と、補償について合意したと発表した。死亡した小学生3人の全遺族と合意が成立した。

 市によると、補償額は慰謝料など計約7200万円で、すでに支給された死亡見舞金2100万円を差し引いて支払われる。

 死亡した3人のうち、当時6年生だった女児については、民事訴訟で市側の責任が認められ、市側は11年9月に補償金を支払った。

 しかし、市が計画した女児を追悼するモニュメントの設置をめぐって遺族の了解が得られず、ほかの遺族との交渉は中断。26年4月に現庁舎の一角にモニュメントが完成したことで交渉が再開され、今月15日には当時1年生の女児の遺族と合意している。

 市によると、8年7月12日夜から学校給食を食べた児童や教員らがO157による下痢などを発症。同様の症状を訴えた人は約9500人に上り、女児3人がO157による溶血性尿毒症症候群(HUS)で死亡した。

 市は菌が検出された9119人と補償交渉を進め、これまでの補償合意者数(辞退者を含む)は9108人で、支払総額は約7億円。市は残る被害者11人との補償交渉を進める。

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