給食でシイラの魚フライを食べたら…唇や舌にしびれ 浦添の小中学校で50人余


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浦添市役所

 【浦添】8月30日に沖縄県浦添市の浦添共同調理場が市内10の小中学校に提供した給食で、シイラの魚フライを食べた生徒ら50人余りが、唇や舌のしびれを訴えていたことが3日までに分かった。専門家によると、不適切な温度管理によるヒスタミン食中毒の可能性が高いとみられる。生徒らの症状は軽く、しびれは食後1時間ほどで治まったという。

 同調理場は市内10の小中学校に約8千食を提供。8月30日のメニューは沖縄そば、肉野菜炒め、シイラの魚フライだった。生徒から「シイラを食べた後、舌がピリピリした」との訴えがあり、港川中が同調理場に連絡。全校に調査したところ、3日までに児童生徒50人、教職員2人の計52人から同様の症状が確認された。

 県南部保健所によると、しびれの原因はヒスタミン食中毒の可能性がある。解凍時などの不適切な温度管理で、青魚に多く含まれるアミノ酸「ヒスチジン」が増殖。ヒスタミンに変わる。この食中毒では口などのしびれのほか、顔や目が赤くなることがある。症状は比較的軽度で、数時間以内に治まるという。

 シイラは衣の付いた状態で同調理場に納入されており、納入業者を含め、市教育委員会が原因を調査中。保護者への2日付のおわび文書で、嵩元盛兼教育長は「安全衛生管理の徹底に努める」としている。