米、フードスタンプ制度の厳格化案公表 受給者300万人削減目指す

米政府、フードスタンプ制度厳格化案を23日公表 受給者削減へ
 7月22日、トランプ米政権は、低所得者向け食料購入補助制度(フードスタンプ)について、約310万人の対象者削減につながる厳格化案を示す方針だ。農務省当局者らが明らかにした。写真はサウスダコタ州の食品集配所で1月に撮影(2019年 ロイター/Stephanie Keith)
[シカゴ 22日 ロイター] - トランプ米政権は23日、低所得者向け食料購入補助制度(フードスタンプ)について、約310万人の対象者削減につながる厳格化案を公表した。農務省当局者らが明らかにした。
同省によると、米国の43州では現在、貧困家庭に対する臨時的な援助を提供するプログラム(TANF)から給付を受けている場合、補助的栄養支援プログラム(SNAP)を通じて自動的にフードスタンプの対象資格が得られるようになっている。
しかし当局者によると、同省はTANFの受給者の収入や資産を審査した上で、フードスタンプの対象資格を付与するかどうかを判断したい意向という。
同省はこの措置が導入された場合、対象者が減ることにより、連邦政府は年間約25億ドルを節減できるとしている。
トランプ大統領は、力強い経済と低水準の失業率を踏まえると、現在SNAPを利用している国民の多くはこのプログラムを必要としておらず、最大150億ドルの納税者の資金を守る手段として対象外にするべきだとこれまでに主張している。
パーデュー農務長官は22日の記者会見で、「いくつかの州では制度の抜け穴を利用して、本来なら資格がなく対象にならない人々がSNAPの給付を受けられるようになっている」と指摘した。
SNAPは米国の人口の約12%に当たる約4000万人に無償で食料を提供している。同省のリップス副次官代行によると、この厳格化案は議会の承認を得る必要がないという。リップス氏は「従来の制度では支援を受ける必要が全くない高所得者らも受給対象になれる仕組みになっている」として、見直しの必要性を強調した。
一方、上院農業食品林業委員会の幹部であるデビー・スタベナウ議員(民主)は「制度の厳格化で家族は食料を奪われ、子どもたちは給食をもらえず、州当局には食料支援の管理が困難になる」と述べた。
農務省では今回の提案に関してパブリックコメント(意見公募)を行うことにしている。
*内容を追加しました。

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