フランスが1兆円規模の貧困支援発表 貧困地区の学校で朝食を無償支給 義務教育は18歳に延長

 【パリ=三井美奈】フランスのマクロン大統領は13日、若者への支援を主軸とする総額80億ユーロ(約1兆円)の貧困対策を発表した。貧困地区の学校で朝食を無料支給するほか、義務教育を18歳まで延長する。 無料の朝食は低所得世帯が多い教育優先地区で導入するとしており、約20万~30万人が対象になるとみられている。大統領は「すべての生徒が同じ条件で、よい一日を始められるようにする」と発言した。

 大統領は昼の学校給食についても、「最も貧しい家庭の子供は1ユーロ(約130円)で食べられるようにする」と述べた。

 18歳までの義務教育の延長は、学校教育や職業訓練を続けて就業に結びつけるのが狙い。大統領は「毎年6万人の若者が学校に行かず、仕事にも就かず、社会から疎遠になっている」と懸念を示した。義務教育は現在、16歳まで。

 貧困対策ではこのほか、保育所の増設、社会福祉の拡充などが盛り込まれた。

 仏統計局によると、国内で貧困層(可処分所得の中央値の60%未満で生活)の割合は14%。18歳未満では20%にのぼる。

会員限定記事会員サービス詳細