「もっと野菜食べよう」 安中の中学で栄養士グループが食育授業

 県民にもっと野菜を食べてもらおうと、県西部地域(高崎、安中、富岡、藤岡地区)の市町村や県出先機関などに勤務する栄養士のグループが地道な活動を続けている。15日には初めて小中学生を対象にした食育授業を安中市立松井田北中で実施した。

 野菜の摂取量をめぐっては、厚生労働省が「1日350グラム」を目標数値として打ち出している。だが、県民の摂取量はこれを下回る状態が続いており、平成28年度の「県民健康・栄養調査」でも平均摂取量は274・5グラムにとどまった。

 こうした状況を改善しようと、管理栄養士と栄養士がスクラムを組んで25年度に立ち上げたのが「もっと野菜を350(さんごーまる)プロジェクト」だ。現在のメンバーは20人で、市町村が開催する健康まつりなどに出向き350グラムの野菜量を実感してもらったり、簡単レシピを紹介するなどの普及活動を展開。26年度からは高校生をターゲットにした食育活動も始め、これまでに12校で実施している。

 松井田北中の食育授業は「給食の食べ残しに野菜が目立っている」ことから学校側の依頼で実現。生徒34人と隣接する細野小の児童21人を前に、疲労回復や肌荒れ予防に効果のある野菜を紹介したり、かぶりもので野菜になりきったPRを行った。

 同中1年の湯本沙優美さんは「野菜を食べるといいことがあると知った。350グラムを目指して食べたい」と話した。講師として参加した管理栄養士の島田純子さんは「今年度は食育活動のマニュアルを作成し、県内の高校に配布していきたい」と意欲を見せていた。

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