沖縄慰霊の日

壕から出て命拾い 82歳「一生忘れぬ」

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 沖縄県糸満市米須の大屋初子さん(82)は23日早朝から、自宅近くの「魂魄(こんぱく)の塔」で参拝者に献花用のキクの花束を売った。塔は終戦直後の1946年2月、周辺で野ざらしになっていた沖縄戦の犠牲者の遺骨を納めるために作られた。大屋さんも沖縄戦末期、近くの壕(ごう)にいたが、集団自決の中を生き延びた。今月、14人目のひ孫が生まれた。「今は幸せだけど、戦争のことは一生忘れませんからね」と誓った。

 73年前、静かな集落は戦場になった。母らと壕に隠れたが、日本軍の兵士が来て「戦っているのは俺たちだ」と追い出された。壕から墓、また別の壕へ。逃げ回った末に最後にたどり着いた壕で、防衛隊に召集されていた父が「隊が解散になった」と合流した。

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