久喜市、広報紙廃棄を陳謝「考え及ばなかった」

廃棄処分となった「広報くき」5月1日号(右)と代わりに製作された簡易版=1日、久喜市役所(大楽和範撮影)
廃棄処分となった「広報くき」5月1日号(右)と代わりに製作された簡易版=1日、久喜市役所(大楽和範撮影)

 久喜市は1日、市議会全員協議会で、同市が発行する広報紙「広報くき」5月1日号を廃棄し、簡易版を製作して配布したと報告。酒巻康至総務部長が「大変なご心配、ご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げる」と陳謝した。

 市によると、5月1日号は4月13日に当時の田中暄二市長の決裁を得て平成30年度当初予算に計上された新学校給食センター整備事業を特集。しかし、22日に行われた同市長選で、事業の再検討を公約した梅田修一氏が当選し、梅田市長が「このままでは市民にお知らせできない」と判断。

 印刷した全6万1600部の配布を見送り、廃棄処分とした。5月1日号の製作費は約144万円だった。同市はイベントなどを掲載した全4ページの簡易版を急遽(きゅうきょ)製作し、4月26日に市内に配布したという。

 全員協議会で市は「(今回の事態に)考えが及ばなかった。今後は内容や期日を十分に精査し、編集発行に努める」と釈明した。

 また、本来必要がない簡易版の製作費は職員の残業代など人件費約33万円、紙代や印刷費約15万円の計約48万円かかったことも分かった。市は今後、月2回の広報紙の発行回数や内容の見直しも検討するという。

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