学校給食用食品メーカー協会、HPの更なる充実と学給諸団体との連携強化をめざす

学校給食用食品メーカー協会 大沼会長
〈大沼会長「会員同士の情報共有を促進」〉
学校給食用食品メーカー協会は23日、第44回定時総会をホテル椿山荘東京(文京区)で開催した。既存ワーキングチーム(WT)の活動を新たなメンバーで継続し、協会HPをさらに充実させて学校関係者にとって使いやすいツールに仕上げることや、HPを活用した全国の学校栄養職員・栄養教諭へのPR活動の強化、全国学校栄養士協議会・文部科学省との連携強化、日給連・学流協・全給協との協調、広報強化、7月13・14日に夏季セミナーをグランドエクシブ那須白川で開催すること等を決定した。

総会の冒頭、大沼一彦会長(日東ベスト社長)は「会長になって3年が経つ。2年前に3つのWTを結成し、一番注力したのがホームページ(HP)のリニューアルだ。見にくかった問題を改善し、学校の先生方が手軽に情報を取得できるよう努めた」と成果を語り「この協会でいいなと思うのは、会員同士で情報が共有されている点だ。1社ではなく、会員で手を取りながら進めていくのが重要である」と協会の意義について語った。

〈副会長に白井執行役員と松島執行役員〉
新役員が承認され、副会長に白井利政キユーピー執行役員フードサービス本部本部長と松島和浩日本水産執行役員業務用食品部長が就任した。また、事務局担当に代田雅史キッコーマン食品業務用営業本部業務用企画部部長代理が就いた。代田事務局は「事務局の大役に身が引き締まる思いだ。大沼会長の言葉にあるとおり情報共有がしっかりできるよう、架橋として微力ながら尽力したい」と意気込んだ。

〈HPリニューアルで使いやすさ向上、訪問数・ビュー数増〉
協会HPで紹介している学校給食向け食材と給食レシピは、リニューアルにより大幅にデータ量が増え、見やすく利用しやすくなった。アクセス数とページビュー数も月を追うごとに増えており、充実したHPに学給関係者の注目が集まっているという。「レシピを探す」「食材を探す」のページは左側にカテゴリ分類があり、HP訪問者の興味でページを自由に観覧でき、レシピページから食材情報にリンクが貼られていることも機能的だ。

HPリニューアルWTは、自社の学給向け食材及びメニューを入力していない会員に入力を促すとともに、食材やメニューのカテゴリを状況に応じて追加削除を行い、より使いやすいツールに仕上げる。また、登録された食材のうち、新商品はトップページに掲載して、より注目を集められるよう工夫することも検討している。WTリーダーの北田伸生テーオー食品経営企画室参与は「HPのアクセス解析されたデータは今後、理事会・合同部会等で会員同士共有する。見られていないレシピ・食材は新しいものに替え、マーケティングの視点も加え、さらにより良いものに向上させたい」と抱負を語った。

〈文筆家の小泉武夫氏が免疫食事学を紹介〉
総会後、講演会が行われた。東京農業大学名誉教授で文執家の小泉武夫氏が「心と体のための食事学」と題して講演。

文筆家・小泉武夫氏

文筆家・小泉武夫氏

小泉氏は「近年、日本人の食生活は大きく変化した。特にこの40年間は肉や油(脂肪)の消費量が著しく伸びて、それぞれ約4倍以上の増加となっている。かつて、低たんぱく、低脂肪、低エネルギーの日本人の食生活が真逆の高たんぱく、高脂肪、高エネルギーとなり、食事の内容も欧米型となった。その結果、生活習慣病や、激高や高揚など心の問題が増えている」と指摘。そこで、それらを解決する方法として、免疫食事学を紹介した。免疫細胞を体の中に増やせば病気もかからず、人は長生きするという。具体的な食事内容として、〈1〉できる限り野菜を食べる、〈2〉ヨーグルトや納豆、キムチなど生きた菌を食べる、〈3〉味噌など日本古来の発酵食品を食べる――ことを提案した。

懇親会の挨拶で、大沼会長は「講演に感動した。先人の偉大さを改めて知った。現代は科学の進歩でいろいろなことが分かっているが、先人はそれがないにも関わらず、和食のすばらしさに気付かれた。我々も見習うべきだ」と述べ「協会には『食を通じて社会に貢献する』という大きな使命がある。この思いを胸に今後も活動していく。その時重要なのはコミュニケーションだ。楽しく意見交換したい」と語った。

〈冷食日報 2018年5月25日付より〉

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