野菜から食べる「ベジファースト」奏功? 足立区、子供の肥満改善傾向

 足立区は、今年度の区立小学校1年生のうち肥満傾向にある児童の割合は男女ともに4・5%で、男子は平成27年度比0・2ポイント、女子は同0・9ポイント、それぞれ改善傾向にあると明らかにした。小1を対象にした健康・生活実態調査で判明した。理由として、共同で調査した東京医科歯科大は「足立区では子供に、食事で野菜を最初に食べる『ベジファースト』を推進していることが一因ではないか」としている。

 ◆区立保育園で推進

 調査は区立小1年全5160人を対象に行い、4208人から有効回答が得られた(有効回答率81・6%)。

 同区では肥満対策の一環として、区立保育園で食事をとる際、野菜から食べる習慣を推進している。

 調査によると、「野菜から食べる」と答えた児童は15・8%で、27年度の11・5%より4・3ポイント改善した。「野菜から食べる」と回答した児童のうち、肥満傾向は3・7%で、「それ以外から食べる」と答えた4・8%より1・1ポイント低かった。

 「野菜から食べる」と答えたのは区立保育園出身者の23・4%が最多で、私立幼稚園は14・6%、私立保育園は14・2%だった。

 ◆全国上回る割合

 ただ、肥満傾向にある児童の割合はいずれも27年度の全国平均(男子4・3%、女子4・2%)を上回る状況が続いている。

 肥満に影響を与える可能性のある運動の頻度についても「1週間でほとんど・全く運動をしない」は11・1%で、27年度の10・0%より悪化した。

 厚生労働省の調査によると、「経済的にゆとりなし」とした家庭ほど、インスタント麺などの摂取率が高いとされている。

 都内最多の生活保護受給世帯を抱える区では「野菜から食べる習慣の普及に取り組むとともに、子供によりよい生活習慣が身につくよう支援していきたい」としている。

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