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小学校の食物アレルギー対策、養護教諭が中心的役割…予想外の発症にも備え万全
「給食中や昼休みは特に気が抜けない。食物アレルギーがないと思われていた児童が発症することもある」
1月下旬、福島県郡山市立大成小学校の養護教諭・湯田厚子さん(60)は、昼休みに校庭で雪遊びする児童を見ながら語った。
大成小は毎年、家庭の調査票などを基に食物アレルギーを持つ児童を把握する。しかし、2016年の2学期、リストに載らない低学年の女子児童が給食でピーナツのあえ物を食べて吐き、保健室にやってきた。外見に問題はないように見えたが、保護者に迎えに来てもらい病院での受診を勧めたところ、アレルギーと判明した。
湯田さんは「家庭に比べ、給食の食材は幅広いので、初めての食材もあるのだろう」と推測する。
約780人が通学する大成小にも卵や乳製品、そば、ナッツなどにアレルギーを持つ児童が約40人いる。
学校では、主任栄養技師を中心に個々の児童に応じてアレルギー物質を除いた給食を調理する。除去されていない料理を誤って食べないようにアレルギーを持つ児童のおかわりを禁じ、遠足時のおやつ交換も認めない。生命にかかわる重いアレルギー症状を発症した際に使う自己注射薬「エピペン」を職員室に保管し、万が一に備える。
湯田さんは30歳代の頃、キウイフルーツを食べて顔を腫らした児童をすぐに病院に連れて行き、大事に至らなかった経験がある。キウイによる食物アレルギーが広く知られる前のことだ。湯田さんは「命を預かっている以上、もしかしたらという視点が大切」と肝に銘じる。
アレルギーを持つ子どもへの支援には周りの理解も欠かせない。
「命にかかわることもあるので、関心をもってもらえるとうれしい」
東京都墨田区立
母親の手紙も読み上げられ、「皆さんに見守られて安心して学校生活が送られる」と感謝の思いが伝えられた。
企画したのは、養護教諭30年以上の
順天堂大の
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【
食物アレルギー
】 卵や乳製品、小麦、大豆など特定の食べ物を摂取した後にじんましんや
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