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バランスの取れた栄養摂取、様々な食材との出会い、食事を通じてマナーやルールを学ぶこと……学校給食には多くの役割がある。歴史をひも解くと、明治時代に貧困児童を救う目的で始まり、戦後の食糧難の時期に脚光を浴び、平成の今は「食育」の場としての期待が高まっていることがわかる。そんな学校給食の歴史を、埼玉県北本市の 学校給食歴史館 の大澤次夫館長に協力してもらい、懐かしいメニューとともに振り返ってみた。(読売新聞メディア局編集部 河合良昭)
貧困児童の救済から「教育」の一環に
学校給食は1889年(明治22年)、現在の山形県鶴岡市の寺にあった小学校で、貧困児童に僧侶らが無償で提供したのが始まりとされる。最初のメニューはおにぎり、塩
第二次世界大戦後、困窮するアジアの人々を救済するため、米国の宗教団体や社会福祉団体などからの寄付「ララ物資」が日本に送られ、こうした物資やユニセフから提供された小麦粉や脱脂粉乳などを使って都市部から給食が再開された。
1954年、学校給食法が施行され、68~69年にかけて小中学校の学習指導要領の改定で給食が「学級指導」に位置づけられると、「教育」の一環となり、全国で実施されるようになった。2015年の文部科学省の調査によると、全国の小学校の99.1%、中学校の88.1%で実施されている。
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