生乳生産減で給食に加工乳 小中校一部 きょうと29日


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 記録的な猛暑が続き、沖縄県内の生乳の生産量が減少している。毎年夏場は生乳の生産量が減少するが、8月は前年同月比で89・6%と約1割(174トン)減るなど過去6年間で最も少なくなっている。県内の小中学校の一部では、給食の牛乳を「加工乳」に変更する。

 県学校給食会によると、22日、29日は21市町村の一部の学校で加工乳を提供する。宮古・八重山地方は通常通り、生乳が提供される予定だ。

 8月の沖縄地方の平均気温は、統計を取り始めた1946年以降、過去最高を記録した。県内の生乳の生産量は酪農家の減少などで年々減り、特に夏場は暑さに弱い乳牛の食欲が減退して生産量も落ち込む。月別では2012年以降で最も少なかった昨年8月よりも174トン減の1489トンと過去最低の乳量になった。

 沖縄明治乳業の担当者は「生乳不足が進行している。一般販売を制限しても給食分が足りない」と語り、今後の生乳供給にも不安感を示した。県教育庁保健体育課によると、加工乳に変更する学校には各教育委員会が通知しており、変更による栄養面の影響はないという。

 小売店にも生乳が行き渡らず、品薄や欠品を知らせる案内を掲示し、県外産の生乳や加工乳を並べるなど売り場を工夫している。サンエー那覇メインプレイスの担当者は「県内の生乳が減り、(客から)なぜないのかと聞かれることもある」と話した。