横浜市教育委員会は12月17日、弁当を持参できない市立中学校の生徒に、2016年度から民間業者による温かい配達弁当を提供する方針をまとめた。全国的に給食を導入する自治体が増える中、市は「家庭弁当」を基本とする考えだ。
3〜400円台か
市教委によると、弁当は、ご飯と汁物、4品以上のおかず、牛乳の献立で、栄養バランスが考慮された2種類のメニューから選べる。牛乳と汁物は単品での注文も可能。事前注文制で、業者に一括注文した弁当は保温コンテナで各校に配達される。価格は「購入しやすいように工夫する」との表現にとどまった。市側が事前に保護者や学校関係者に行ったアンケートでは300円台から400円台を望む声が8割を超えていた。
全国8割が給食
全国の公立中学校では約8割が完全給食を実施。神奈川県内でも全33市町村のうち半数を超える17自治体で完全給食を実施(2013年5月1日時点)、未実施の自治体でも導入に向けた動きが見られる。川崎市でも市内3カ所に給食センターを整備し、17年2月の実施を予定している。
市内でも共働き家庭などから給食を求める声があるが、市は「家庭弁当持参が基本」という横浜型を主張。市教委健康教育課は、「一人ひとりの状況に合わせられることや、自分で食べるものを選択する食育という点で、家庭弁当持参を基本とした」と強調した。家庭の事情などにより、昼食を用意することが難しい生徒への対応について市側は「何らかの配慮を検討している」という。
業者委託方式によるスクールランチ制度を推進してきた市議の一人は、「財政状況や調理施設の建設用地の確保の面でも給食導入は難しい。各家庭で選択できるという点でも配達弁当は望ましい」と評価した。
市民団体から反発も
中学校給食を実施していない横須賀市でも、来年度中に横浜市と同様、業者による配達弁当の導入を目指している。今年1月と6月には試行事業として弁当事業者が400円の弁当を提供した。しかし、「事前予約の注文が面倒」などの声も多く、注文率は6・4%にとどまった。
中学校給食を求める市民団体「横浜学校給食をよくする会」の鈴木圭子代表委員は「育ち盛りの中学生には栄養バランスがとれた給食が必要で、やらない方がおかしい。ほかの自治体の例を見ても、配達弁当の普及には疑問」と話し、今後も給食の実施を求めていく方針だ。
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