茨城・城里町当初予算案、4度目も否決か 町議「議会無視している」 町長「『独断』は印象操作」

 平成29年度の当初予算案が3度否決されている城里町議会の6月定例会で7日、一般質問が始まった。当初予算案可決の成否に注目が集まっているが、町議会側は上遠野修町長(38)の町政運営を「独断的」と批判を強めており、この日の一般質問でも激しい応酬が繰り広げられた。一方、町民を置き去りにした両者の泥仕合を見せつけられた傍聴人らは一様にあきれ顔だった。

 ◆さらなる修正否定

 「町長の町政運営は議会を無視している」

 この日、質問に立った関誠一郎町議は、質問の中で何度もこう繰り返した。

 関町議が「独断的」な町政運営をあぶり出すため目を付けたのが、28年度から実施された給食費の引き下げだった。自身が委員長を務める町立学校給食センター運営委員会に諮らず、上遠野町長が独断で引き下げの決定を下したとなじり、「委員会や協議会をないがしろにしている」と訴えた。

 上遠野町長は「給食費引き下げは子育て支援事業の一環で、財政的な判断を下した」と主張。「給食内容の変更などではない」として、委員会に諮る必要はないと反論。さらに「何でもかんでも私の独断で行ったというのは印象操作だ」と不快感をあらわにした。

 南條治町議は3度否決の当初予算案について「(さらなる)修正案の提出はないのか」と質問。上遠野町長は「これまでに何回か修正している」と述べ、大幅な修正をしない考えを示唆。その上で「予算執行が停止し、町政運営は苦しい」と早期の当初予算案可決の必要性を訴えた。

 ◆対立あきれる町民

 散会後、反町長派の町議は「町長の政治姿勢は崩れている。(今回の採決でも)反対に回ると思う」と現時点では歩み寄る考えがないことを強調した。

 一方、一般質問を最後まで傍聴していた同町上圷(かみあくつ)に住む男性(81)は「町議の質問は論点がずれているし、町長の答弁も説得力に欠ける」と眉をひそめ、「予算のことはしっかり決めてもらわなきゃ」と語った。

 当初予算案の採決は13日に行われる。果たして、上遠野町長と町議会は、町民第一の結論を導き出すことができるのだろうか-。(丸山将)

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